【取組紹介04】視覚障害者へのアプローチ

第4回の【取組紹介】は宮城県の視覚障害者へのアプローチについて紹介します!

さて今回は宮城県の特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパンで取り組まれた視覚障害者へのアプローチについて紹介します。 (「【1〜3】障害者芸術文化活動支援センター設立・運営マニュアル(2017年3月31日発行)」より引用)


【1】取組のねらい
みえないこと=芸術活動ができないこと、ではありません。聴覚・触覚・味覚・臭覚などの感覚を総動員して作品を鑑賞し、また絵を描いたり写真を撮ったりすることができます。2014年から宮城の視覚障害のある人たちと、鑑賞と表現の活動に取り組んできました。


【2】実施内容
2014年12月、オーストラリアの盲聾の写真家ブレンデン・ボレリーニさんと視覚障害のある人との写真撮影のワークショップを行いました。音を頼りに大好きなバスを撮影する参加者もいて、人は視覚以外の感覚から写真を撮る動機と方法を得られることを知りました。撮影した写真は後日、オーストラリアの立体コピー写真で出力されました。2015年2月、SOUPが実施した「やまのもとのアート展」の際に、視覚障害のある人たちと活動を行う認定NPO法人ビートスイッチ(以下ビートスイッチ)が「山元町へ、アートに触れる視覚障がい者旅行」を企画。ことばによる鑑賞ツアーや、立体コピー写真を鑑賞する機会をもちました。2015年9月、SOUPが実施した「いしのまきのアート展」の際に、ビートスイッチの安藤修二さんが盲導犬ヴァンと石巻を歩き、記憶をたどり写真を撮ることに挑戦しました。安藤さんが撮影した写真20点は、アート展の会場のひとつに展示しました。SOUPは、前年度の経験から立体コピー機についてはコニカミノルタジャパンに、カメラについてはニコンプラザ仙台に借用について相談し、安藤さんの写真展を実現しました。また、ビートスイッチが「視覚障害者と電車でGO!石巻」を企画して鑑賞ツアーを行いました。2016年12月、ブレンデンさんが再び宮城にやってくることになり、「表現するこころ・からだを育てるカメラ編」を企画しました。これまでと同様に機材や技術提供は企業に協力を依頼しました。みえない人、きこえない人、みえる人、さまざまな人が同じ立場にたち、触覚、味覚、嗅覚をつかい世界を感じ、過去の記憶を語りあいました。その物語は一眼レフカメラを使い、写真として表現。撮影した写真は立体コピー写真として出力し、凹凸を感じながら鑑賞しました。2016年1月、その作品を、凹凸写真展「WALKING IN SOMEONE ELSE’S SHOES – 誰かの靴を履いて歩く」と題し、ニコンプラザ仙台で展示を行いました。


【3】成果
視覚障害のある人たちは、みる・つくるなどの表現活動をしようと呼びかけても、新しい体験の情報を得ること、体験するために外出することそのものにも、たくさんの壁があることを知りました。そこで可能な限り彼らを支える支援者との関係や情報共有をすすめ、小さな活動からスタートし、ようやく3年後に多くの参加者を迎えることができました。みえないことは、芸術活動ができないことではありません。その人の障害を知り、一方で活動を阻害する‘障害’は何かを明らかにし、ひとつひとつ問題をとりのぞいていくこと。それが障害者の芸術活動支援の役割だと考えています。


視覚障害のある方へのアプローチは2018年度も続いています


2018年度も視覚障害のある方へのアプローチは各所で取り組まれています。滋賀県の支援センター[アイサ]では、去る11月23日(金・祝)に「みる・きく・さわる鑑賞会」と題して、目が見えない人、見えにくい人、見える人で一緒に鑑賞が行われました。鑑賞した企画展「以“身”伝心 からだからはじめてみる」では、触れる作品、音声コンテンツや点字や触図(しょくず)を多数用意して、みんなが鑑賞を楽しめるように工夫が凝らされています。


アイサのウェブサイトにレポートが掲載されています。ぜひ[研修レポート 作品鑑賞会「みる・きく・さわる鑑賞会」]も読んでみてください。


≡ 連携事務局お知らせ一覧へ戻る